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*序*
多分、そこへ行くのはそれを見た時からのひそかな夢だったんだろう。
いつもは読んだら捨てられてしまうのに、大事に保管していたのだから。
カード会社から毎月送られてくる会員向けの雑誌、その1999年12月号。
ICE HOTELの前に佇むトナカイとサーメ人の表紙。
特集は冬のスウェーデン。
*旅へ*
私の勤める会社は1月から3月は年度末の仕事できりきり舞いだ。そんな時期に休みなんかまず取れないという環境で、この旅に誘われた時も、きっと無理だろうと半ばあきらめていた。
出発の1ヶ月前までならキャンセル料がかからないし、とダメもとで予約だけ入れたのは2001年の秋のこと。
それから冬にかけて、北極圏で耐えられるだろうかというのを基準にやたら厚いジャケットやコート類がワードローブに増えていった。
そして、いくつかのラッキーが重なって、2002年3月も終わりに近付くとある日、私は機上の人となった。 |